迫力のある音楽や照明をバックに、感動的なストーリーをイケメンや美女が演技をする舞台は、華やかで観るものを魅了してやまないものです。 そんな舞台にマジックの要素を取り込む演目も見かけるようになってきました。 今回は2018年9月に公演された「MAGIC × MAGIC」をご紹介しながら、マジックが舞台に与える影響について考察していきます。 舞台がマジックの要素を取り込むとどうなるのか? まず結論から言いますと、マジックの要素を取り込んだ舞台には大きく以下の3点のような効果が見込まれます。 ダンスと相性が良く、よりスタイリッシュになる 芝居の感動にマジックの感動が上乗せされる 魔術的なイメージがストーリーにファンタジーをもたらす マジックによる効果が、舞台をより感動的なものへ進化させます。 「MAGIC × MAGIC」は、これらの効果を上手く利用して、千秋楽には椅子席150席、スタンディング250人の劇場が超満員になるほどの大成功を収めました。。 では、そんな「MAGIC × MAGIC」とは、どんな舞台だったのでしょうか? 「MAGIC × MAGIC」とは 「MAGIC × MAGIC」は2018年9月5日~9月8日までの3日間、浅草ゆめまち劇場にて公演された、マジシャンの高校生が主人公の、友情や家族愛を描いた学園マジックコメディです。公式サイト:https://ticket.rakuten.co.jp/features/magic2/index.html/主人公には、韓国のボーイズグループBoys Republicのメンバーでもあるインジュン、スウン、そして登場人物のアキラ役としてはK-POPアイドルグループMAP6のJ.JUN、MINHYUK、俳優のミンスがトリプルキャストで出演しています。マジック指導は、Mr.マリックとも親交があり、数々の映画やテレビでのマジック指導の経歴があるアンギュラ氏が担当し、ストーリーの要所でマジックを効果的に取り入れています。 「MAGIC × MAGIC」におけるマジック 「MAGIC × MAGIC」の序盤では、ご挨拶がてらマジックでは定番の、火を出すマジックや鳩を出すマジックが披露されます。主人公のテヅマと、登場人物の凛がマジック対決をするシーンでは、テクニックの応酬でストーリー展開を白熱させています。また、カードを使ったクローズアップマジックは観客が見づらいので、登場人物のアキラ役がマジックを撮影するというストーリーに添って、撮影した映像をリアルタイムでモニターに映しだすといった、演出上の工夫がされています。中盤〜後半では、舞台映えのする人体分割マジックや衣装早変わりを取り入れ、ストーリーは佳境へ。そして、クライマックスでは、主人公の幼少期のバックグラウンドとリンクさせて、布で覆った椅子から人が消えたり現れたりするマジックで、言葉にしづらい抽象的なイメージをそのままダイレクトに観客に伝えることに成功しています。 マジック × 舞台=次世代のエンターテインメント 幻想的な雰囲気作りが重要なマジックショーでは、音楽やダンスを取り入れてショーを盛り上げることが多くみられます。元来、ダンスと相性の良いマジックは、同じようにダンスが重要なウェイトを占める舞台と相性が良いのは当然なんです。また、マジックは一朝一夕で習得できるようなものではなく、練習の積み重ねによって、ようやく披露できるもの。マジックを取り入れた舞台の演者は必死でマジックの練習をしなくてはなりません。芝居の稽古に加えてマジックの稽古までこなして、マジックを披露したという演者の努力に対しても、ファンである観客は更なる感動を覚えます。そしてマジックはそもそも、現実では起こりえないことを実現させてしまうものです。マジックをストーリーに組み込めば、ある意味「なんでもあり」な展開ですら幻想的に表現できる、次世代のエンターテインメントを創りあげることが可能です。マジックのもつ幻想性は、応用次第で無限の可能性を秘めているのかもしれませんね。 この記事のライター わしかん:元バンドマンで介護福祉士の資格も持つWebライター。3児のパパ。