注目のワンシーンは映画の序盤、ベンジーをはじめ大勢の観客が見守る中、あるショーでフーディーニが水槽からの脱出に挑戦するシーン。
手錠をされた状態で電話ボックスほどの大きさの水槽に頭から入り、さらに水槽の蓋に鍵が掛けられた後、水槽に幕が降ります。
極限状態にあるにもかかわらず、水槽に入れられたフーディーニの表情は冷静そのもの。
予め飲み込んでおいた鍵を吐き出し、手錠を外していきます。
途中、亡き母の幻覚を見たフーディーニは動揺して鍵を落としてしまいますが、すぐに冷静さを取り戻し、鍵を拾って脱出を再開。
なかなか幕が上がらず、フーディーニの身を案じてざわめきだす観客たち。
そのタイミングで幕が上がり、水槽から脱出したフーディーニが出現。会場は拍手で包まれます。
極限状態においても冷静さを保つ精神力、脱出予定時間を2分オーバーしても息を止め続けられる常人離れした身体能力、そして観客を惹きつける圧倒的カリスマ性。
フーディーニの神がかった能力を印象付けると同時に、側から見れば狂気とさえ思えるフーディーニのストイックな一面を見せる、フーディーニが今もなお伝説と呼ばれる理由がわかるような強烈なワンシーンです。