
[この記事の概要]
成果目標:作品のDVD、Blue-Ray、デジタル配信コンテンツの販売促進
実施概要:
・yahoo!Japanが立ち上げるキャンペーンサイトへの集客装置として、バズムービーを企画
・作品のキーワード「特殊能力」をテーマに企画を立案・制作
結果:
・動画は「GYAO!」に掲載され、Yahoo!映像トピックスをはじめとする多数のWebメディアで取り上げられ、キャンペーン期間中に2本の動画が併せて550万回再生を突破。
・日本テレビ『PON!』にて話題の動画として紹介され、更にニュースサイトで拡散
・商材のワード検索数が2倍、レンタル配信リンク数とECサイトリンク数(動画から特集ページに遷移し、有料配信あるいはECサイト購入ボタンをクリックした人の数)も4.4倍となった。
[きっかけは、ある1本の動画だった]
20世紀FOXの人気映画「X-MEN フューチャー&パスト」のDVD&ブルーレイ発売、そしてシリーズ初のデジタル配信リリースにあたり、Webプロモーションの依頼をGYAO!さんよりいただきました。
「特殊能力をテーマにした動画を、マジシャンの知見を活用して作って欲しい」
映画のテーマに沿った動画で、世の中で話題をつくることがミッションとなりました。
マジックと特殊能力は一見相性が良さそうですが、スマホで情報が取れてしまう現代社会でただ不思議なマジックを見せても、誰も特殊能力とは思わないだろう。
そんな事を考えていた時に、会議である1本の動画を見せられたのです。
交差点でトラックにぶつかりそうになったベビーカーが、ある男が出現し瞬間移動したのである。
そこにいたマジッククリエイター3名は全員がこの動画を知っていた。
そして、おそらくこれは巧妙なCG合成だと言う。
[ネット上で話題になるのは、事故や事件なんですよ]
この動画が秀逸なのは、「道路に設置されている監視カメラ」であるという所だ。
24時間録画を続けている映像だから、「偶然、映り込んだ」という認識になる。
「ネット上で話題になる動画って、ほとんどが事故や事件なんですよ。」
「偶然映り込んだ(であろう)映像は、希少価値なのでみんな見たいですから。」
なるほど。理にかなっている。
数年前、元有名アイドルが覚せい剤取締法違反で指名手配になった時、その追走劇は高い視聴率を記録した。
サッカー日本代表の試合が高い視聴率を獲得するのも、「歴史的瞬間を目撃したいから」だろう。
これを参考に、新たな切り口の動画がつくれないだろうか??
[どんな視点のカメラだと、自然に見えるか?]
参考動画を受けて、今回の企画を以下の様に整理した。
・テーマは映画と同じく「特殊能力」
・SNSで話題化する動画を活用する。
・マジシャンが考案する不思議な現象を演出の主軸とする。
この3点をコンセプトとして、企画を更に落とし込んでいく。
マジシャンの知見を動画マーケティングに活用する上で、なるほどと思ったことが1点ある。
「マジックは、超常現象がまるで本当に起きているかの様に見せるエンターテインメントです。」
目の前で起きた超常現象には、「物理的なタネと仕掛けがある」ということである。
当たり前なのだが、目の前で不思議な事が起きると人はまず目を奪われてしまう。
つまり「偶然映り込んだように見える映像」を作ればいいのではないか?
設定自体に「タネと仕掛け」を埋め込む。
これは面白くなりそうだ。
そして、「どんな視点のカメラだと、自然に映り込んだ様に見えるか?」という軸で企画の具体的な落とし込みが始まった。
[監視カメラとホームビデオ]
様々な視点のカメラが世の中にはある。
監視カメラだけでも至る所にあり、その映像をネット中継しているサイトまであるから驚きだ。
視点の検証には、この映画を参考にした。
世界初!全編監視カメラ映画『Look』
「全米にあるカメラが、1日平均200回、1個人を撮影しているー」というキャッチで、監視カメラ映像だけで構成された映画である。かなり過激な映像もあり、閲覧にはご注意いただきたい。
https://eiga.com/movie/53746/
当たり前だが映画なので、モキュメンタリー=「モック(偽装)+ドキュメンタリー」作品だろう。
様々な映像から検証を重ねて、以下の2つの視点に決定した。
・駐車場の監視カメラ
・ママが撮影するホームビデオ
その上で起きる現象には一切の編集・CGを使わずマジックの手法だけを用いる。
まさにミニ特撮動画である。
その過程を経て作られたのが、以下2つの動画だ。
[2週間で550万再生を記録した、衝撃の2作品]
「怪力の女子高生」は、yahooトップページにサムネイル付きで紹介されるや一気に火が付き、日本テレビ『PON!』で“今話題の動画”としても紹介され、更に『宣伝会議』が発行しているAdvertimesにて、新しい動画プロモーションのスタイルを作った集団として紹介された。
記事はこちら↓
http://www.advertimes.com/20141112/article174906/
最終的に2014年のGYAO!映像アワード 衝撃映像部門の第3位に選出されることとなった。
プロモーションも成功し、サイト流入数、デジタルコンテンツの購入数共に大きな成果を上げることが出来た。
マジシャンの知見を動画マーケティングで活用した初の事例であり、今後も活用が期待できるコンテンツであることを証明できた。
この作品をきっかけに、20世紀FOX作品のプロモーションを続けてご依頼いただく事となった。
⇒まだまだある!『マジック×動画マーケティング』!
⇒原宿の人気店で、ギャルが仰天を観る!
[STAFF]
企画制作:GYAO!+ROUTE13演出:伊藤史
構成:米田匡篤
撮影・編集:三志郎
マジック演出:ROUTE13
協力:20世紀フォックス・ホームエンタテインメント